後立山(長野) 布引山(2683m)、鹿島槍ヶ岳北峰(2842m)、鹿島槍ヶ岳南峰(2889.2m) 2024年7月13日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:11 大谷原−−1:11 西俣出会−−2:37 高千穂平(標識)−−3:30 冷乗越(県境稜線)−−3:40 冷池山荘−−3:47 テント場−−4:28 布引山−−5:10 鹿島槍ヶ岳南峰−−5:37 鹿島槍ヶ岳北峰 5:57−−6:26 鹿島槍ヶ岳南峰 7:05−−7:36 布引山−−8:16 テント場−−8:20 冷池山荘−−8:33 冷乗越 8:40−−9:12 高千穂平(標識)−−9:49 西俣出合 9:59−−10:38 大谷原

場所長野県大町市/富山県中新川郡立山町
年月日2024年7月13日 日帰り
天候晴後薄曇
山行種類ほぼ一般登山(僅かに残雪あり)
交通手段マイカー
駐車場大谷原に駐車場あり。今年も橋を渡った対岸の駐車場も利用可能だがそれを知らない登山者が多い
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望いずれの山頂も晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント海の日の3連休初日のみ好天予報で花見に鹿島槍へ出向いた。明日以降悪天予想の影響か、すれ違った人は30人ほどと夏山シーズンとは思えない少なさでびっくり。もう登山道に残雪は皆無で高山植物の開花のピークを迎えつつあり、ハクサンイチゲやミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイは終わりかけていた。ここでは初めてタイツリオウギを見ることができた。下山時には計3羽の雷鳥に遭遇できた。


下山時に遭遇した雷鳥ペア。この他にオス単独の雷鳥にも遭遇できた


見かけた花と開花状況

花の種類

場所 

開花状況 

キツネノボタン? 林道 花盛り? 林道脇の黄色い小さな花
タマガワホトトギス 林道 往路の暗闇で見たが開花していたのか蕾だったのか良く見えず
ヒヨドリソウ 林道 咲き始め
ヨツバヒヨドリ 林道〜赤岩尾根 咲き始め
ニガナ 林道〜冷池山荘 花盛り。広範囲にみられる
ガクアジサイ 林道〜西俣出合 花盛り。おそらく野生種
オニシモツケ 西俣出合〜赤岩尾根 咲き始め
ハクサンオミナエシ 赤岩尾根 咲き始め
オオコメツツジ 赤岩尾根 花盛り
ヤグルマソウ 赤岩尾根 花盛り。1株しか気付かなかった
オオカニコウモリ 赤岩尾根
ミヤマホツツジ 赤岩尾根 咲き始め。象の鼻のように雌しべ先端が上に沿っているのが特徴
シモツケソウ 赤岩尾根 咲き始め
ミヤマニガイチゴ 赤岩尾根 花盛り
シロバナニガナ 赤岩尾根 花盛り
ミヤマアキノキリンソウ 赤岩尾根
ヤマハハコ 赤岩尾根上部〜稜線 蕾〜花盛り
ゴゼンタチバナ 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り
ツマトリソウ 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り
ハクサンシャクナゲ 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り
ヨツバシオガマ 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り
ミヤマママコナ 赤岩尾根上部 花盛り
ウラジロヨウラク 赤岩尾根上部 終わりに近い。数が少ない
ミヤマダイコンソウ 赤岩尾根上部〜稜線 終わりに近い
ミヤマダイモンジソウ 赤岩尾根上部 花盛り。数が少なく一部にしか生えていない
コケモモ 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り。極小サイズだが数は非常に多い
カラマツソウ 赤岩尾根上部〜稜線 蕾〜咲き始め
ツガザクラ 赤岩尾根上部〜稜線 終わりに近い
ネバリノギラン 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り? 花がほとんど開かないので咲いているのかよく分からない
ウサギギク 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り
タカネバラ 冷乗越 花盛り。冷乗越付近でしか見られない
クロマメノキ 冷乗越 花盛り
ヤマガラシ 冷池山荘 1株しか見ていないが咲き始め?
エゾシオガマ 冷池山荘
ミツバオウレン 冷池山荘〜稜線 花盛りだが既にピークを越えている
バイカオウレン 冷池山荘 数が少ないので開花状況は不明。でもミツバオウレンとほぼ同じだろう
マイヅルソウ 冷池山荘〜稜線 花盛り。布引山山頂の日当たりがいい場所でも見られてびっくり
コイワカガミ 赤岩尾根上部〜稜線 花盛り
ミヤマキンポウゲ 冷池山荘〜稜線 花盛り
アカモノ 赤岩尾根〜稜線 花盛りだが赤岩尾根中部はおしまい
ナナカマド 赤岩尾根〜稜線 蕾 
コバイケイソウ 稜線 2株しか咲いていなかった。今年は外れ年?
ミヤマキンバイ 稜線 花盛り? 長期間咲いていていつがピークなのは分かりにくい
アオノツガザクラ 稜線 咲き始め
ヒメクワガタ 稜線 咲き始め
シナノキンバイ 稜線 花盛り
チングルマ 稜線 花盛り
ベニバナイチゴ 冷池山荘〜稜線 花盛り
オオタイサンボク 稜線 花盛り
キバナノコマノツメ 稜線 花盛り
ショウジョウバカマ 稜線 終わりに近い
キヌガサソウ 稜線 ほぼ終わり
ハクサンイチゲ 稜線 ピークは完全に越えて終わりに近い。残雪が遅くまで残る箇所はピーク
イワツメクサ 稜線 花盛り
クロユリ 稜線 花盛り? 2輪しか見ていないので開花状況は不明
ハクサンフウロ 稜線 花盛り
ハクサンチドリ 稜線 布引山では終わりに近く残雪が遅くまで残る箇所は花盛り
チシマギキョウ 稜線 咲き始め。こんな時期にもう花が出ているとは知らなかった
テガタチドリ 稜線 花盛り
ミミナグサ 稜線 蕾。開花前でミヤマミミナグサ、タカネミミナグサ、クモマミミナグサの判別ができない
シュロソウ 稜線 花盛り。花も茎も真っ赤で、見た目には花が終わって枯れた草のように見える
タイツリオウギ 稜線 花盛り。主に稜線東側で見られる。花が縦ではなく横に並ぶのが特徴
イワオウギ 稜線 花盛り
クモマスミレ 稜線 花盛り
イブキトラノオ 稜線 花盛り
イワベンケイ 稜線 終わりかけ
タカネツメクサ 稜線 咲き始め
ミヤマシオガマ 南峰直下〜吊尾根 花盛り。主に吊尾根で見られる
ミヤマクワガタ 稜線 花盛り
タカネヨモギ 稜線 蕾? 元々開花しているのか判別できないような花
シコタンソウ 吊尾根 咲き始め〜花盛り
ミヤマオダマキ 吊尾根 花盛り? 1輪しか見かけなかった
イワウメ 吊尾根 花盛り
タカネヤハズハハコ 稜線 咲き始め〜花盛り
ミヤマタネツケバナ 吊尾根 花盛り
コメバツガザクラ 吊尾根 終わりかけ
イワヒゲ 吊尾根 1株しか見ていないが終わりに近いようだった
シコタンハコベ 吊尾根 1株しか見ていないが蕾だった
ミネウスユキソウ 吊尾根 まだ葉っぱだけ
この他にセリ科、ユキノシタ科の花が咲いていたが、私の知識では種類が判別不能でここに記載していない


大谷原左岸駐車場を出発 取水堰は今回も照明が点灯していた
西俣出合の堰堤内トンネル 高千穂平標識ピーク(標高2045m)
白樺平(2278m)。今回は標識が木にかかっていた 安曇野方面の夜景(手ブレあり)
3週間前に雪があった箇所は完全に消えていた 冷乗越(県境稜線)
冷池山荘 森林限界を越える
布引山山頂 日の出前の東の空。水平線は雲が広く覆っていた
布引山山頂のマイヅルソウ。群落を形成していた タイツリオウギ。白馬岳よりも多く見られた
イワオウギ イブキトラノオ
テガタチドリ 雪が消えた東斜面はお花畑
日の出 ハクサンイチゲは終盤で残り少ない
クモマスミレ 南峰への最後のきつい登り
南峰直下のミヤマシオガマ 鹿島槍ヶ岳南峰(山頂)
南峰から見た北峰。近距離なのに霞んで見えている シコタンソウ
ミヤマシオガマは吊尾根で多く見られた ツガザクラ
ミヤマオダマキは1輪だけ見かけた イワベンケイ
3週間前にはここは残雪に覆われていた ミヤマクワガタ
タカネヤハズハハコ ヒメクワガタ
ミヤマタネツケバナ ハクサンイチゲ
コメバツガザクラ ミヤマキンバイ。かなり長期間咲いている
コイワカガミ チングルマ
シナノキンバイ ハクサンチドリ
キバナノコマノツメ ミヤマダイコンソウ
縦走路から北峰に向かう 鹿島槍ヶ岳北峰山頂。山頂標識は倒れたまま
北峰から見た南峰 北峰から見た五竜岳方面
北峰から見たカクネ里雪渓(氷河) 北峰山頂のミツバオウレン
北峰山頂のゴゼンタチバナ ミヤマキンバイ
シコタンハコベ コケモモ
イワウメ 南峰へ登り返しの岩壁帯
岩壁帯のイワヒゲの花。1株のみ見られた イワヒゲの株。葉は桧に似ている
標高2840m付近 ナナカマドの蕾
ミネウスユキソウ 鹿島槍南峰山頂
鹿島槍南峰から見た立山、剱岳。霞んで見えない 鹿島槍南峰から見た南へ続く稜線
下山開始 タカネツメクサ
ヨツバシオガマ タカネヨモギ
ハクサンフウロ 雪解け直後の東斜面にはミヤマキンポウゲのお花畑
イワオウギ。西斜面に多かった 早くもチシマギキョウ
ツマトリソウ 布引山を見下ろす
シュロソウ。これでも花が咲いている ミミナグサだが開花前で細かな種類は不明
ウサギギク 布引山から南を見ている
布引山のハクサンシャクナゲ 単独でいた雄雷鳥
2年ぶりのクロユリ。1株しか発見できなかった ペアでいた雌雷鳥
ペアでいた雄雷鳥 ホシガラスが食った跡
ベニバナイチゴ キヌガサソウ
ショウジョウバカマ オオヒョウタンボク
ミヤマキンポウゲの群落 ネバリノギラン。名前の通り表面が粘っている
ミヤマキンポウゲとシナノキンバイのサイズ差 コバイケイソウ。2株しか咲いていなかった
4人組トレランナー チングルマのお花畑
昨年秋は凍っていた池 アオノツガザクラ
ヒメクワガタ 猿の群れがいた
開いたばかりのカラマツソウ アカモノ
刈り払いの跡 テント場にはまだテント無し
冷池山荘近くにはニガナ ニガナの横にはヤマハハコ
冷池山荘 冷池山荘前のヤマガラシ
バイカオウレン クロマメノキの花
エゾシオガマ 冷乗越への登り返し
タカネバラ。今回のコースでは冷乗越付近でしか見られない 冷乗越
冷乗越から見た西〜北の展望。霞が晴れてきた
赤岩尾根に入りガスに突入 ウサギギク
下部のガレトラバース 今年初のミヤマダイモンジソウ
少なくとも無雪期は鎖は不要だと思うが ヨウラクツツジ類(たぶんウラジロヨウラク)
今年初のミヤマママコナ ヨツバシオガマは赤岩尾根の方が多く見られた
白樺平 ニガナとシロバナニガナ
ミヤマアキノキリンソウの蕾 たぶんミヤマニガイチゴ
オオコメツツジ シモツケソウは開花し始め
高千穂平(標識)から見た鹿島槍 高千穂平(標識)
ミヤマホツツジ オオカニコウモリ。まだ蕾だった
ヨツバヒヨドリ ヤグルマソウ
ハクサンオミナエシ ガクアジサイ
オニシモツケ 分かりにくいが草刈りの跡がある
林道終点 林道終点から西俣本谷に下って水浴び
林道終点手前の看板 おそらくキツネノボタン
大雨で水が流れて林道は大荒れ 取水堰
ゲート。工事がないらしく本来のゲートが閉じていた ゲートに設置された看板
大谷原左岸駐車場 大谷原右岸駐車場


 梅雨末期に入ってここのところ梅雨らしい雨がちの天気が続き、海の日の3連休の予報もあまり良くない。ただし、時間経過とともに予報が大きく変わることがあり、連休初日の土曜だけはどうやら晴れそうだ。これは日本海にある梅雨前線が太平洋側まで南下するためで、基本的に北に行くほど天気がいい。今は高山植物開花のピークであり、本来は花が多い白馬岳に行きたいところだが、今年は大雪渓の多数のクラックが開いて通行止め。別ルートで登る手もあるが登山口が遠いとかコースが長くなること、白馬岳は前回登山から2週間しか経過していないこともあり、来週登ることにして今回は鹿島槍に決定。鹿島槍は白馬岳よりは花は少ないが北アの中では多い方で、前回登山から3週間経過しているので、次の花が咲いているだろう。それにもうルート上に雪は無いはずであり、装備が軽量化できる。

 前日夕方時点の天気予報では土曜日のみ晴れの予報に上方修正され、標高3000mでも風は弱く気温は+10℃と高めの予想。前線が南下しているとは言え近いのでこんなものかもしれない。防寒装備はかなり削って大丈夫だろう。天気は基本的には晴れだが予報では雲量は多く、前線に比較的近いこともあって稜線がガスで覆われる可能性は結構高いと思われた。まあ、今回は花が目的なのでガスられても問題は無い。梅雨の時期に展望を期待するのは虫が良すぎるだろう。

 私の場合、鹿島槍に登るときは大谷原起点の赤岩尾根しか使わない。鹿島槍に登るルートは一般的に柏原新道〜種池山荘〜爺ヶ岳経由か、大谷原から赤岩尾根経由である。人気があるのは柏原新道経由で、おそらく全登山者の9割くらいがこちらを通るだろう。このルートのメリットは登山道が良好で傾斜が適度で歩きやすいこと、登山口の標高が約1350mと高いこと、山小屋を2軒経由するので補給の心配がないことなどは挙げられる。ただし人気のコースなので駐車場は早い時刻に満車になるし、爺ヶ岳を越えるので帰りの登り返しがきつい。ついでに距離が長いのも欠点である。

 これに対して赤岩尾根コースは距離が短く帰りの登り返しが少なくて済む反面、登山口の標高が低いのでトータルの標高差はおそらく柏原新道と変わらないであろう。また、赤岩尾根の傾斜が非常に急であり、特に下りでは脚力が要求される。駐車場の収容台数は少ないが、利用者が少ないので夏山シーズンの週末でも満車になることはない。万が一満車になっても林道路側に昔の工事用プレハブ跡があり、ここに駐車可能である。

 私が赤岩尾根を使う理由はより短い時間で登れること、帰りの登り返しが少なくて済むこと、それに人が少なくて静かな3点だ。

 大谷原の駐車場は大冷沢にかかる橋の前後2個所に分かれていて、登山口により近いのは橋を渡った先の左岸側駐車場だが、地元民以外はほとんどが橋の手前の右岸側駐車場を利用する。昔は左岸側が人気だったが工事のため長期間閉鎖された時期があり、それ以降は右岸がメインとなっている。距離的には100m程度しか差は無いのでどちらでも問題ないが、私はいつも左岸側駐車場を利用している。3連休前夜にも関わらず駐車している車はゼロだが、今日の天気が悪いので仕方ない。一番奥の駐車区画に車を止めて酒を飲んで寝た。

 今回は日中になると大気の状態が不安定になってにわか雨や雷雨の可能性があることから久しぶりに早めの出発とし、日の出直後に山頂に到着できるよう日付が変わった直後に出発。満天の星空で天気は予報よりもいい。気温は思ったよりは高くはなく、沢沿いの林道では冷たい風が吹き降りて半袖半ズボンでは少し寒いくらいであった。でも沢を離れて堰堤を迂回して登る区間では冷たい風が無くなって暑かった。3週間前に煌々と照明が点灯していた取水堰は今日も照明が点灯。どうも今年は毎晩点灯しているようだ。監視カメラがあるので夜間でも監視できるよう対応したのだろうか。

 林道終点で北股本谷に下って水を500ccほど補給。今回はこの北股本谷に下る短い道の草刈り用に鎌を持ってきたが、予想外に草が刈られていた。雨の影響か水量は多めだったが水は濁っていなかった。

 堰堤内トンネルを潜って対岸に出ると、3週間前は草がはみ出して朝露で濡れてしまった場所はきれいに刈り払われていた。シーズンが本格化する前に登山道を整備したようだ。赤岩尾根に取り付くと傾斜が増して体が発熱して扇を取り出す。相変わらずの急登の連続であるが、今回は残雪用装備はゼロで防寒着も少ないので、ザックが軽く足取りも軽い。と言っても山頂まで約5時間かかる長丁場であり、体力温存のためスピードはセーブ気味に歩く。

 出発時からLEDライトの明るさがいつもより暗いと感じていたが、赤岩尾根中盤で明らかに暗くなり電池切れが発覚。前回の登山から帰宅した直後に充電したはずだったのだが、どうやらGPSの電池は充電したがその他の電池は忘れたようだ。といのも携帯音楽プレーヤーも林道歩きで早々に電池切れしてしまい、予備電池に交換していたのだ。この電池をLEDライトに移してもいいのだが、携帯ラジオの方が出番が少ないのでこれをLEDライトに移植した。私のLEDライトは単3形電池用だが、単3の電池では容量が大き過ぎて夜間登山では全く使いきれないほどである。しかしライト以外に使用する電池は全て単4形であり、予備電池を共通化できない。それに単3形電池は重いので、単4形電池を単3形電池サイズに変換するスペーサを使って単4形電池をLEDライトに使っている。これだと予備電池1本で事足りるし、場合によっては使用頻度が低い機器の電池を予備代わりにしてもいい。

 真っ暗闇の中ではLEDライトの電池交換は面倒である。というのも交換作業中はLEDライトの光が無くなってしまうからだ。慣れれば交換は可能であるが、予備の小型光源があると便利である。昨年夏は小型光源を携帯していたが、冬場には電池交換をするような長時間の夜間歩行は行わないので所持品から外して以来、そのままになっていたのだった。しかたがないので暗闇の中で交換したが、電池切れした方の電池を地面に落としてしまった。これが黒い電池で地面の保護色になって探すのに一苦労した。

 さすがに前回から3週間も経過すると花は移り変わり、前回は咲いていなかったオオコメツツジは白い花を咲かせていた。代わりにイワカガミやミツバオウレンはかなり標高を上げないと出てこない。今年初のヨツバヒヨドリが見られて季節の移り変わりを感じる。往路では気付かなかったがオオカニコウモリ(まだ蕾)も見られた。

 赤岩尾根下部では気温が高かったが、高度を上げるとともに気温が下がって涼しくなってきた。夜間登山はこれが大きなメリットで、昼間に登るのと違って登りでも涼しくて体力消耗が少なくて済む。

 標高2045mの高千穂平標識ポイントに到着。ここで樹林が開けて下界の夜景が見えるようになるが、どうも雲海が出ているようで光の数が少ない。長野市/千曲市方面の光はほぼ見えなかった。

 この先は森林限界に近くなり深い森から背が低く密度が低い樹林と笹が入り混じった植生に変わる。イヤらしいことに笹の葉が登山道にはみ出して朝露に濡れているので、衣類が濡れないよう手で分けながら進むが、ここまで上がると気温は低下して露の冷たいこと! 今回は防水の手袋は持ってきていないので素手で対応するしかない。まあ、笹がはみ出た区間はそれほど長くないので我慢だ。それに暑いよりも寒い方がマシだ。夏でも寒いなんて贅沢だ(笑)。

 さらに高度が上がると岩とダケカンバが目立つようになり、逆に笹は少なくなる。白樺平の標識は前回は地面に置いてあったが、今回は例年のようにダケカンバの枝にぶら下げられていた。おそらく小屋の営業開始に合わせて設置したのだろう。

 まだ真っ暗な時間帯で写真撮影できないが、ヨツバシオガマが早くも登場。足元にはミヤマママコナ。赤岩尾根上部にはママコナがたくさん見られる。尾根が細くなって岩っぽくなるとミヤマダイコンソウが出てくるが、もう花のピークは過ぎて散っているものの方が多い。小さ過ぎて目立たないがコケモモの花は今が盛りだった。ガレトラバースの手前では毎年のようにミヤマダイモンジソウが咲いているが、今年も期待を裏切らず咲いていた。

 ガレ場のトラバースは2箇所あるが、どちらも雪は全く無かった。これは予想通りである。冷乗越で県境稜線に到着すると北西の冷たい風が吹きつけて寒さを感じるが、この後はすぐに樹林帯に下り、その後は稜線東側直下の登山道が続くので防寒対策は不要と判断し、風に吹かれながらガレの斜面を下って一時的に森林限界を割って樹林帯へ突入。ここにはマイヅルソウが生えているが、3週間前は蕾だったのが今は花盛り。ミツバオウレンやバイカオウレンもまだ咲き残っていた。

 登り返して冷池山荘に到着。まだ夜明け前だが日の出まで1時間を切っていて、通常の夏山シーズンなら小屋にはもう動きがあって一部の登山者は山頂目指して出発しているはずだが、今回は小屋の大半の部屋は消灯したままでひっそりと静まり返り、入口前は無人であった。昨日は雨が降った影響で泊り客は少なかったのだろう。

 テント場に到着するとテントは皆無。あの天気だからなぁ。ここからは爺ヶ岳の稜線が見通せるが、種池山荘から先の縦走路に光は皆無だった。種池山荘や柏原新道から鹿島槍を目指す登山者はまだ稜線に達していないようだ。立山、劔岳は稜線は雲に隠れて見えないが、劔沢小屋付近には登山者のものと思われる光が時々見えていた。こちらの光はあちらに見えているだろうか。

 テント場から登山道は稜線東直下に移る。3週間前の残雪はすっかり消え失せて東斜面の雪も無くなっている。ここはコバイケイソウのお花畑だが、葉っぱはたくさん出ているが花はほとんど咲いていない。明るくなった帰りに数えたが花が咲いているのは2株だけだった。まだ時期が早すぎて咲いていないのか、それとも今年は外れ年で咲いていないのかは不明だ。さすがに今の時期では遅すぎてシラネアオイは見られなかった。登山道より上側の斜面はチングルマを中心としたお花畑で花盛りだった。

 平坦区間が終わって登りにかかる付近はミヤマキンポウゲのお花畑で今が花盛り。シナノキンバイも咲いていた。目立たないがネバリノギランの花もあった。名前の通り、これは表面に粘り気がある。3週間前はサンカヨウが咲いていた場所ではもう花が終わりだった。

 森林限界を再び突破してハイマツが切り開かれた登山道を北上。もう夜明け前で東の空が明るくなっているが、頭上は薄い雲だけだが地形線付近は厚い雲に覆われて日の出は見えなさそうだ。梅雨前線の影響で関東の天気は悪いのでこれは想定の範疇。標高2000mを越える志賀高原の山や標高2500m以上の浅間山が見えないので、これより遠い奥日光や尾瀬の山々は見ることはできない。

 布引山へのジグザグの登りではクロユリが見られる場所があるはずで、まだ薄暗いが探しながら進む。昨年はここでクロユリを発見できず白馬岳でも見つけられなかったので、今年は目にしたいと注意深く探したら道の屈曲場所で2輪咲いているのを発見! まだ写真撮影には明るさ不足なので帰りに撮影することにして場所を覚えておく。この付近は3週間前はハクサンイチゲが多かったが、今は僅かに咲き残るだけでピークは過ぎていた。ミヤマキンバイももうピークは過ぎているようだったが、こいつは桜のように一斉に咲いて一斉に散るのではなくポツポツと次から次へと咲くので、いつが開花のピークなのか良く分からない花である。

 布引山山頂に到着。ハクサンチドリはまだ咲き残っていたが萎れかけ。代わりに前回見られなかったハクサンフウロが咲いていた。そしてここにはまさかのマイヅルソウの群落があった。マイヅルソウは森林限界以下の樹林帯で多く見られ、森林限界以上ではハイマツの陰など日当たりが悪い場所に見られることがあるが、ここではハイマツが無い日当たりがいい草地に生えていた。これなら立派な高山植物としていいだろう。

 布引山から振り返るとテント場北側の登山道が稜線東側に付いている付近で登山者のライトの光が見えた。私との時間差は30分以上あるかな。

 布引山から鹿島槍南峰までの稜線では傾斜が緩い西側は雪が早く消えてお花畑の出現も早い。前回はハクサンイチゲが真っ盛りだったが、今回はイワオウギやイブキトラノオが中心。例年だとシコタンソウが見られるのだが今回はここでは発見できなかった。

 稜線の東側は遅くまで雪が残る場所で、西側とは植生が異なる。西側ではミヤマキンポウゲやシナノキンバイは全く見られないが、東側ではお花畑を形成するくらい数が多い場所もある。ハクサンフウロやハクサンチドリ、テガタチドリも東側のみに見られる。今回初めて気付いたが、東側にはタイツリオウギが多く見られた。シロウマオウギやリシリオウギが無いかあちこちで良く探したが発見できなかった。

 南峰への最後の急な登りにかかると石が積み重なった斜面に変わるので植物が見られなくなる。山頂直下まで達するとハイマツが登場してミヤマシオガマも登場。山頂の南側で見たのは初めてかもしれない。ミヤマシオガマは南峰と北峰を繋ぐ吊尾根ではたくさん見られる。

 登り切って無人の鹿島槍ヶ岳南峰に到着。晴れてはいるが残念ながら周囲の雲は多めで空気の透明度は悪く、お隣の爺ヶ岳や五竜岳どころか目の前の鹿島槍ヶ岳北峰さえも霞んでしまっている。当然ながら遠くの山々は見ることはできない。黒部川を挟んだ反対側の立山、劔岳の稜線は雲に覆われて見えなかった。こんな展望だが山頂にガスがかかっていないだけマシであろう。

 この先の吊尾根はこれまでの稜線とは植生が微妙に異なり、これまでに見られなかった花が咲いているはずなので北峰に向かうことにする。3週間前は僅かに残雪があって迂回したが、今回はもう消えているだろう。吊尾根上にも人の姿は全く見えない。

 急な狭い尾根を下っていくとシコタンソウを発見。先週の針ノ木岳で今年初のシコタンソウを見たが、その時よりも開花が進んでいるように見えた。3週間前にも咲いていたイワウメはまだまだ健在で、意外と長く咲いているのには驚いた。イワオウギも咲き始めていている。ミヤマダイコンソウ、ツガザクラはそろそろ終盤だが、ミヤマキンバイはここではまだ見頃が続いている。非常に小さくて目立たないがコケモモ、コメバツガザクラも咲いていた。

 岩壁帯を下って平坦な尾根に出ると稜線東側にはハクサンイチゲの群落が咲いていた。ここは遅くまで雪が残るので咲き始めが遅いためだ。ミヤマクワガタ、ミヤマオダマキも咲いている。稜線の南側に登山道が移るとヒメクワガタにミヤマタネツケバナの小さな花が登場。これらは花に興味が無い登山者だと存在に気付かないだろう。

 岩尾根を越えて南側にまだ雪が残る最低鞍部付近ではチングルマとシナノキンバイ、コイワカガミが花盛り。この雪が消えればまたこの下にお花畑が出現するだろう。

 キレット方面の分岐点から北峰へ登る登山道に入る。一部に新しい崩れた岩が登山道に積み重なっているが、これは3週間前には無かったもの。上を見ると植生が無い崩れやすそうな岩場があり、あんな高さからこんな大きさの岩が落ちてきて人に当たったら、ヘルメットの有無にかかわらず命に係わる怪我をしそうだ。

 登り切ってこれまた無人の鹿島槍北峰山頂に到着。山頂標識は倒れたままだが、いつになったら直すのであろうか。南峰の山頂標識は北ア統一の新しいものに更新されていたが、こちらは古いまま。おそらく更新と同時に直すのであろう。そういえば北峰/キレット分岐の標識も古い形式のままだなぁ。

 北峰から見る南峰はまだ無人のまま。東側の遥か下にはカクネ里雪渓が見えているが、氷河本体は残っているだろうか。昨年秋時点ではほとんど残っていなかったので、もしかしたら氷河は消滅してしまったかもしれない。今年の秋になればはっきりするだろう。北側に続く稜線は霞んでしまっていて五竜岳でさえもはっきりとは見えない有様だった。

 山頂で短い休憩をしながら山頂で花を探したら、ミツバオウレンは前回も見かけたがゴゼンタチバナが咲いているのに気付いた。こんな高さで咲いているのなら立派な高山植物と言えるかもしれない。ゴゼンタチバナもマイヅルソウ同様にあからさまに日当たりの良い場所ではなく、通常は樹林の中や登山道脇などの日向と日陰の境界付近で多く見られるが、ここではモロに日向に生えていた。おそらく私が見たゴゼンタチバナの中では最も標高が高い場所で咲いていたものであろう。

 休憩を終えて南峰に向かいながら花の写真撮影。往路では見落としていたシコタンハコベを発見したが、まだ蕾であった。岩壁帯の手前で単独男性とすれ違ったが、岩場の通過がへっぴり腰で、少なくとも岩場には慣れていないようだった。ザックの大きさからして小屋泊まりでキレット方面への縦走のように思えた。

 男性とすれ違って岩壁帯を登っている最中に高山植物のイワヒゲ探し。過去にここで見たことがあるが昨年は発見できなかった。イワヒゲは少なくとも北アルプスの私が良く登る山では珍しい植物で、過去にここと八ヶ岳の赤岳でしか見たことがない。葉っぱは桧のようで花はツガザクラのようで目立たない存在だ。よ〜く探しながら登ったら数輪の花を付けたイワヒゲを1株だけ発見! 今年は見られてよかった。

 岩壁帯を通過して岩っぽい尾根を急登して鹿島槍南峰山頂に再び立つ。まだ無人だが見下ろすと最後のジグザグの登りにかかる登山者の姿が見える。天気予報はいまいちでもさすがに3連休初日なので、多少は登山者がいるだろう。立山、劔岳方面の雲は薄くなってきて稜線が見えるようになってきた。

 夫婦らしい男女2名と入れ替わりで下山開始。花を探しながら&写真撮影しながらなのでペースは遅いが、早く帰る理由もないので問題なし。往路で発見できなかった花の一つはミミナグサだったが、まだ蕾で細かな種類までは判別できなかった。もう一つはタカネヨモギで、これは花が開いているのかよく分からない構造なので、蕾なのか分からない。高山に咲くヨモギは数種類あり花はどれも同じだが(少なくとも私には同じに見える)、葉が異なるので判別は容易だ。タカネヨモギは葉に細かな切れ込みがあるのが特徴だ。

 往路でも見たキキョウはできるだけ花が開いた個体を見た結果、毛があったのでチシマギキョウだった。キキョウは秋を告げる花であり、こんな時期にもう花が咲くとは早過ぎはしないか。

 布引山までに数人の登山者とすれ違い、布引山山頂から南を見下ろしても人の姿は無かった。稜線の東側に登山道が移る区間で4人組のトレランナーとすれ違い、冷池山荘を越えて最低鞍部から冷乗越へと上がる間にさらに数人とすれ違った。この頃には人の数が増えてきた。

 布引山からの下りでは往路でクロユリが咲いていた場所を探して写真撮影。ここ以外ではクロユリは見かけなかった。この前後に立て続けに雷鳥に遭遇。最初はオスのみの一羽で登山道の真ん中にいたのですぐに分かった。数mの距離でも逃げないので思う存分写真撮影できた。なかなか登山道から退去しないので、こちらが登山道をショートカットして雷鳥を避けて通過した。次の雷鳥は雄雌のペアで、メスがいるということはまだ産卵していないはず。この時期にまだ産卵していないのはかなり遅く、普通なら雛が孵っている頃のはず。この後に産卵するのだろうか。北アの雷鳥は国内では多い方だが、それでも以前よりは数が減っているはずで、保護が必要だろう。テント場の北側の東斜面がお花畑のエリアではサルの群れを見かけたが、昔は高山帯に上がってこなかった動物が増えているのも雷鳥減少の一因だろう。この雷鳥ペアもなかなか登山道から退去しなかったので、こちらが登山道外を迂回して通過した。

 一時的に森林限界を割って短距離ながら矮小なシラビソ帯を抜けて登山道が稜線の東に出ると再び森林限界を越えてチングルマを中心とするお花畑が広がる草原に変わる。ここで4人組のトレランナーとすれ違った。ここにはヒメイチゲが生えているはずで探したが見当たらず。、もう花の時期を過ぎてしまったのかもしれない。

 テント場は帰りもまだ無人のままでテントも皆無だが、今日はいくつかテントが張られるだろうか。それも明日の天気次第か。冷池山荘に下ると往路同様に外は無人のまま。まだ時刻は午前8時半で今日入山した人はまだ到着していないので当然か。私の行動時間が普通の登山者とズレ過ぎている(笑) 小屋前では今回唯一のヤマガラシが咲いていた。小屋付近ではエゾシオガマが多く見られるのだがまだ蕾は出ておらず、この先の鞍部付近で蕾を付けたエゾシオガマを発見できた。ついでにここではクロマメノキの花も見かけた。秋になるとクロマメの実が生る場所なのでよく覚えている。

 冷乗越への登り返しでは次々と登山者とすれ違う。冷乗越で会った男性はキレット方面へ縦走するとのことだった。できれば不帰嶮を越えたいと言っていたが、明日の天候を心配していた。おそらく朝から雨になってしまっただろうから、もしかしたら五竜岳を越えて遠見尾根から下山したかもしれない。天気だけはいかんともしがたい。

 赤岩尾根に入るとすぐに雲海に突入。ガスが流れてひんやりして大助かりだ。ただし雲の層はそれほど厚くはなく、すぐにガスが切れた。ここでも往路は暗くて撮影できなかった花の写真撮影をしながなので、歩くペースはいつもよりも落ちる。往路では気付かなかったがガレ場ではウサギギクが、尾根の上部から中部にかけてはシモツケソウとハクサンオミナエシの蕾があちこちで見られた。これらは県境稜線では見られず赤岩尾根だけだ。一株だけだがミヤマアキノキリンソウの蕾を発見。これは真夏を過ぎて咲く花であり、今咲くのはフライングではなかろうか。秋に入ると標高が高い所で見られる黄色の花はミヤマアキノキリンソウだけになる。

 高千穂平の標識ポイントから見る鹿島槍は雲海が邪魔して見えないが、おそらく今でも稜線は雲海の上で晴れているだろう。冷池山荘下に続く谷には立派な滝がかかっている。今の時期は雪解け水で水量が増えているので、おそらく年間でも一番水量が多い時期だろう。滝の名前が何なのかネットで調べてみたが、意外にも名前は無いらしい。地形図にも出ていない。

 高千穂平から下っていくと雲が切れて日差しが出てきて暑い! 雲があるのは稜線付近だけで、山から離れると上空の薄い雲だけになるようだ。高千穂平より下では樹林帯になるとは言え、尾根が東向きなので朝から日光が正面から照り付けるため、早い時間帯から暑くなってしまう。今シーズンで一番多く汗をかかされ、濡れタオルの水分が蒸発して乾燥気味になってしまうので、人間の給水と同時にタオルにも給水する。今回は500ccの水の大半を赤岩尾根の下りで消費した。

 赤岩尾根の下りでは10人弱の登山者とすれ違った。この暑い時間帯に登るのはなかなかきついだろう。明日からの天気は下り坂のはずだが、3連休ということもあり幕営装備と思われる大きなザックの人もいた。

 高度計を見ながら西俣出合までの時間を予想しながら下っていく。徐々に沢の音が大きくなるが、意外に遠くからでも沢音が聞こえる。山は静かだからなぁ。赤岩尾根の下部では目立った花は無く、西俣出合近くまで下るとガクアジサイが登場。天然ものなのか誰かが植えたのか分からないが目を楽しませてくれる。白い綿のような花はオニシモツケ。シモツケソウが白くなったようなものだが葉っぱがずっと大きい。ズダヤクシュの花は完全に終わって種を付けていた。

 西俣出合の堰堤トンネルを潜って対岸の林道終点から水浴びのため北股本谷へ下る。最近草刈りした形跡があるが完璧ではないので、追加で私が草刈りをしておいた。水量測定機器が設置されたのでそのメンテ用の道として整備しているのかも。下りではかなりの量の汗をかいたので、濡れタオルで全身の汗を拭くと気持ちいい! 体感温度が下がったように感じるほどだ。この後の林道歩きで汗をかかない程度にのんびり歩けばいい。

 この林道終点にはコゴメグサが群生しているが、探してみたが見当たらず。まだ時期が早過ぎたようだ。林道を下っていくと林道脇の草は刈り払われていて、登山道だけでなくここでも整備の手が入ったようだ。でも最近の大雨の影響で林道の路面は大荒れで、明らかに水が流れて細かな土砂が流されて河原のような石がゴロゴロの状態になり、非常に歩きにくい場所があった。おそらく普通車ではこの路面の通行は厳しく、そのうちに路面が整備されるといいのだが。治山工事等の工事が行われれば、現場に至るまでの林道は補修されるだろう。

 前回に伐採作業を行っていた場所は作業が終わったようで重機等はきれいさっぱり無くなっていた。植林した木を全て伐採して新たに植林したのかと思ったら、どうも間伐を行ったようで杉の木は立ったままで下草の藪が刈られていた。

 大谷原駐車場に戻ると久しぶりにゲートは閉じたまま。林道より奥で工事等は行われていならしい。左岸側駐車場には私の車の他に富山ナンバーが1台のみ。右岸側駐車場は数えてみたら8台あった。ここから山頂方面を見上げるが雲海の雲がかかっているので稜線は見えなかった。

山域別2000m峰リスト

 

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